コーチ(COACH)の2024年秋コレクションが発表された。
クリエイティブ・ディレクター、スチュアート・ヴィヴァースによる本コレクションが掲げるのは、“古き良きアメリカ”というテーマ。アメリカンヘリテージのシルエットやラグジュアリーのコードを、自分らしさを表現するという独自のレンズを通してアップデートしたルックを提案する。
特徴的なのは、クラシカルなアメリカンスタイルが根付くレザー、デニム、コットンに、ヴィンテージ感溢れるディストレス加工を施していること。アメリカングランジに満ちたルックを完成させ、“古き良きアメリカ”の表情をプラスした。たとえば、まるで愛用して着古したかのような質感のウォッシュドレザージャケットがその好例。ところどころ色落ちさせ、そのレザーに宿る歴史が感じられるようなビジュアルに仕上げている。
大ぶりのリボンは、軽やかで艶やかなタフタ素材のパーティードレス、キャミソールトップスに添えられてお目見え。まるで身体をラッピングし飾り立てているかのように、ふんわりと存在感を示した。リボンモチーフは、直接的な形としてだけでなく、ピンクのニットに織り込まれた柄としても登場した。
シルエットはいずれもボリューミーだ。ムートンジャケットやタキシードジャケット、トレンチコート、ニットなどすべて肩幅を大きく、通常のものと比較するとやや長めの丈感に設定。特に、タキシードジャケットやドレスのようにドレッシーなアイテムは、あえてオーバーサイズやシワ加工を施すことで、本来かっちりと硬派な印象を受けるドレッシーな様相を崩し、カジュアルさをプラスしているように思える。
ニューヨークへの愛を強調するのは、ユニークな新作バッグの数々。中でもアイコンバッグ「タビー(Tabby)」をスクエア型にアレンジし、ウォッシュドナッパレザーを採用した「タイムズ スクエア タビー(Times Square Tabby)」に注目。自由の女神やイエローキャブ、エンパイア ステート ビルディング、ビッグアップルなど、ニューヨークみやげに着想を得たチャームを添え、ルックにさらなる彩りを加えた。