クロエ(Chloé)の2025年春夏コレクションが、フランス・パリにて発表された。
前シーズンにてデビューを飾った、クリエイティブ・ディレクター シェミナ・カマリ2回目となる2025年春夏コレクション。今季カマリが目指したのは、夏への憧れや夏が抱かせる気持ちを表現すること。過ぎ去ってはまた戻ってくる、夏の幻想的な瞬間を切り取りつつ、ブランドのルーツなどに目を向け、夏らしく陽気で自由なコレクションを手掛けた。
コレクション全体には、明るく軽やかなムードが漂う。そのムードを引き立てるため、ほぼすべてのルックに、惜しみなく肌を透かすランジェリーライクな仕立てを採用した。ネグリジェを思わせるセンシュアルなチュールドレスやトップスには、ブラジャーやパンツに見られるレースの装飾が施されている。また、繊細なレースの刺繍が美しいふわっと膨らみのあるパンツは、70年代にクロエが発表したブルマに着想を得てデザインされた。
ボリューミーでありながら風になびくような軽やかなルックが続く中、目立ったのは肩がぐっと盛り上がったパワーショルダーのジャケットやコート。ブランドを象徴するブラウスのシルエットをベースに、ギャザーやプリーツをたっぷりと施し、ショルダー部分を強調している。インパクトがありながらも、ロマンティックな印象に仕上がっている。
今季は、アプリコットやシェルホワイト、サンド、ペールイエロー、ライムとミント、ラベンダーといったカラーパレットで構成。まるで太陽にあたり、色褪せたかのように柔らかな色合いが特徴だ。また終盤には、“日焼けカラー”と対を成すようにして、バラやピオニーをモチーフにした色鮮やかなプリントが登場。1977年にハンドペイントで描かれたアーカイブの作品をベースにしたプリントで贅沢なドレープ感のラッフルドレスを彩り、花がふわっと香るように会場に華やかさをもたらした。
首元や耳元を彩るアクセサリーも必見。貝殻の破片や、波で磨かれて丸くなった石など、夏らしいゴールドのチャームやチェーンなどを見ることができる。さらには、クロシェやラフィアの軽やかなリング状のハンドルを配したブレスレットバッグ、艶やかなジェリーサンダルなども登場。これらアクセサリーの存在も相まって、自由で陽気な夏を謳歌したくなるような気持ちが自然と湧き上がってくる、夏への気持ちが高まるコレクションとなった。