トラサルディ(TRUSSARDI)が、2014年9月21日(日)ミラノファッションウィークで2015年春夏コレクションを発表した。今季、デザイナーのガイア・トラサルディが描いたのは、アスリートのように力強く、普遍的な美しさを持った女性像。ヴァーチャルな世界が現実を侵食し、精神と身体はどんどんと離れていく現代。改めて身体と服の関係に迫った。
そんなメッセージ性の強い一面も持ち合わせたコレクションのルックたちは、オーセンティックな美しさが際立っていた。流行の最先端ではないが、メゾン独自のDNAをしっかりと受け継ぎながら時代に合わせた提案をしていこうという思いが感じられる。キーとなるのは、レザー。ある時は、大胆なセットアップスーツとして主役に。またある時はスタイルを引き締めるトリミングとして脇役にと、ころころと表情を変えながら登場したコレクションの立役者だ。
アスリートというインスピレーションに欠かせないのは、やはりスポーツの要素。タンクトップやジャンプスーツなどのアイテムの上に丹精なスエードのコートやレザージャケットを着ることで、新たな解釈を与えた。その他にもオーソドックスな白シャツは、トランスペアレントな加工と肩を強調する構築的なシルエットに変換し、ユニホームライクな巻きスカートには大胆なスリットでモダニティとフェミニティの味付けを施した。また、反対に女性らしさを前面に出した真っ赤なレザーのタイトドレスには、オックスフォードシューズにウッドソールを付けたようなカジュアルな足元で引き算。こうした駆け引きもコレクションの見所となっている。
カラーは、全体的にクラシックなトーンを纏っており、特に印象的なのはバーガンディ。レザー、コットン、スエードと多様な素材の上を渡り歩き、その度に異なる魅力を見せてくれた。