ルール ロジェット(leur logette)の2025年春夏コレクションが発表された。テーマは“Beautiful Time”。
作家ヴァージニア・ウルフや姉のヴァネッサ・ベルを中心とする学者やアーティストたちにより、1905年から第二次世界大戦期まで存在した集団「ブルームズベリー・グループ」。もとは4人のケンブリッジ大学生から成る非公式な会合がきっかけで、平和主義や左派自由主義などを主張し、多くの議論を巻き起こした。
ルール ロジェットの2025年春夏コレクションは、そんな「ブルームズベリー・グループ」が打ち出した、古い概念を取り払った自由で奔放な思想と価値観がテーマ。時代を越えて、古いものと新しいものが融合するように、幻想的な雰囲気を纏わせたウェアを提案する。
コレクションでは、「ブルームズベリー・グループ」の思想や価値観を意識して、フェミニンな雰囲気を助長させる女性らしい装飾や素材と、構築的でメンズライクなフォルムを融合させた。そんな美意識が感じられるのが、ユニセックスな雰囲気を持たせたジャケットの数々。フランスのマリアケント(MALHIA KENT)社のツイードを使用したジャケットや、ビーズのパーツを連ねたワーク感のあるジャケットがその好例だ。
また、ベストやキャミソールに施された繊細に煌めくスパンコール刺繡は、儚く幻想的な印象を抱かせる。たとえば、男女の垣根を打ち壊すようにオーバーなサイズ感に仕上げたベストは、シアーな素材感も相まって、刹那的な輝きを放っている。
春の訪れを喜ぶかのように、フラワーモチーフも多く登場。鮮やかで大胆なフラワープリントをあしらったロングスカート、古きを懐かしむように手掛けたヴィンテージローズプリントを配した、バルーンシルエットのトップスやスカートが揃う。
そんな中で目を惹くのは、立体感のあるフラワーモチーフをレースで表現したキャミソールドレス。レースならではの透け感や、その精緻な美しさを感じてほしいとの願いが込められている。一方で、イギリスの伝統的な技法を取り入れて端正に編んだ花柄のレースも。トップスやスカートに採用されたレースはアンティークな雰囲気を醸し出しており、上品さをプラスしている。