「テッドベーカー(Ted Baker)」と聞いてまず思い浮かべるのは、表参道店の店頭でいつも餌に顔を突っ込んでいる食いしん坊のロボット犬……。日本では表参道店、新宿髙島屋店のみなので、知名度はまだまだの印象だが、40店舗以上を展開する本国のイギリス、20店舗以上を展開するアメリカはもちろん、アジアでも急速にそのプレゼンスが高まってきている。なかでも3店舗を展開し、人気が定着しているのが香港。先日、ホテル LKFを舞台に香港中のセレブリティを集めた2014年秋冬コレクションのローンチイベントを開催した。
香港のナイトライフの中心地である香港島の蘭桂坊(ライカイフォン)。旬なレストラン&バー、クラブが林立する眠らない街の中心に、ホテルLKFは位置する。そんなファッショニスタや欧米からの移住者、観光客が集まるこのホテルを舞台に、テッドベーカーのコレクションが披露された。今シーズンのテーマは「TAKE the LEAD」。フレッド・アステアのダンスにインスピレーションを受け、マンボ、タンゴ、ファンタンゴを軽快に踊れるようなダンスの要素をコレクションに落とし込んでいる。
レディースのドレス、ワンピースは、ヴィンテージにインスパイアされたフラワープリントが主役。大柄の花がプリントされたボディコンシャスなドレスや、チュチュのようなフレアシルエットのボタニカルな花柄のドレスなどが目を惹く。エレクトリックブルーのレースのドレスや、ネオンピンクのドレスなど、艶やかな色使いも特徴のひとつだ。テッド女性をが愛して止まない1950年代風のフェミニンなドレスは、全ての“パーティの華"に仕立て上げてくれることだろう。
一方で現代のダンスシーンに似合うスポーティなコレクションも充実している。代表的なアイテムは、鮮やかなプリントのネオプレーン素材のスウェットシャツや、ゴブラン調のMA-1など。トレンドとクラシックを絶妙なバランスで取り入れている。
メンズは、ブリティッシュテーラードをモダンにアレンジした華のあるスーツやジャケットが豊富。ベーシックなウール素材のスーツには、テッドの人気アイテムであるプリントやジャガードのシャツを合わせている。カラーブロックの配色も特徴のひとつで、ラペル、ポケット、袖がコントラストカラーになったブレザーや、オレンジとグリーンで大胆に色を切り替えたニットなどを提案している。
Text by Kaijiro masuda(FASHION JOURNALIST)