ピリングス(pillings)の2025-26年秋冬コレクションが2025年3月17日(月)、東京の品川インターホールシティにて発表された。
11回目のコレクション発表となる今季のピリングス。デザイナー・村上亮太は、過去10回のランウェイショーにおけるチャレンジを見つめ直し、コレクションを通じて"ピリングスにとってのクラシック”を噛み砕いて表現する。
まず目を惹くのは、2024-25年秋冬コレクションで登場した二重構造のスカートだ。以前は“ストンとした”Aラインを採用していたが、今季は裾に膨らみを持たせたバルーンシルエットのスカートに、シワ加工を施したサテン生地をコンビネーション。よりボリューム感をプラスし、ピリングスの新たな“クラシック”スタイルを完成させた。
内側からあふれ出す“歪な感情”を思わせるディテールも印象的。たとえばニットのセットアップは、至るところにあしらわれたファスナーから、あえて白い布袋を出している。ノルディック柄ニットも、裏地が飛び出しているように作られており、村上ならではの“インサイドアウト”を体現している。
村上のこだわりが光る素材も見逃せない。全体的に強い洗い加工を施しているのが特徴だが、多用されていたニットに言及したい。“埃の塊の中のセーター”をイメージし、手編みのニットに縮絨をかけ、凹凸感のある見た目に仕上げた。
さらに、フォーマルなジャケットやベストにも縮絨をかけた素材を使うことで、10回にわたるコレクションの変遷を感じるような風合いを演出。経年劣化を帯びた素材と膨らみのあるシルエットで、ピリングスの普遍的デザインを示した。