タン(TAN)の2025-26年秋冬コレクションが2025年3月22日(土)、東京・京橋の戸田ビルディングにて発表された。
タンは、"糸から衣服へ"をコンセプトに、様々な技法を活用し、バリエーション豊かなニットウェアを展開するブランド。そんなタン誕生10周年の節目を迎える今季、ブランド初となるランウェイショーを開催した。インスピレーション源は、デザイナー・村上亜樹が訪れたインドへの一人旅だ。
ニットアイテムはバリエーション豊かに。オフショルダーのクロップド丈トップスから、表裏が逆になったようなデザインのベルト付きミニスカート、そしてドローコードを忍ばせたブーツまですべてがニットで完成している。特に、今季はレイヤードの手法がさえわたり、そこにはインドで暮らす人々の衣装を彷彿とさせるディテールがある。あえてジャケットの上から重ねたパープルのニットはブローチによって留められ、ニットストールは民族衣装のサリーのようにアシンメトリーに着用している。
その中で散見されたのは、スカートやジャケットの裾に見られた、インド民族衣装におけるフリンジのようなディテール。SRAという機械を駆使し、ニットの帯を1つずつ取り付けたという。また、中綿入りのセットアップには淡いグラデーションカラーの糸で縫い目を施し、モヘアニットワンピースには鮮やかなライトブルーを使うなど、明るいインドのムードをカラーパレットによって取り込んだ。
また、15年連れ添った愛犬との別れを惜しみ、彼の存在もコレクションへと昇華した。犬の毛並みように短い毛足のニット素材を使用したロングドレスやベスト、犬を模したクラッチバッグなど、手触りの良い“もこもこ”としたアイテムが披露された。頭から首までを覆い隠すヘッドアクセサリーは、インド女性が巻くスカーフ・ヒジャブを彷彿とさせる。
さらに、イタリアのシューズブランド・ペリーコ(PELLICO)とのコラボシューズも登場。ペリーコのアイコニックなパンプスに、ラメ糸ニットのアッパーを組み合わせ、足元に彩りを添えた。