ビューティフル ピープル(beautiful people)が、2015年春夏コレクションを2014年10月16日(木)に、外苑前テニスクラブで発表した。
今季、デザイナーの熊切秀典は70年代のテニスプレイヤーに注目。当時活躍した選手であるビョルン・ボルグのスタイルをイメージし、快活でちょっぴりレトロなワードローブを披露。ポンポンッと、テニスボールがラケットに当たる音とともにショーがスタートし、白Tシャツにフレアスカート、そしてスカーフをアクセントに巻いたモデルが広いコートの上を歩き出す。
「真っ白なスニーカーは僕の中で全然リラックスしたものではありません。下ろしたての時は、結構ピリッとした気持ちになります」と白スニーカーを履いた熊切は話す。コレクションでは、彼にとって身が引き締まるアイテムである白スニーカーに似合う服ですべて展開され、足元はアディダスのスタンスミスで統一。前半は、ユニフォームのようなプリーツスカートや、スポーティなT字のタンクトップなど、テニスウェアをクリーンな日常着に昇華した装いが中心となる。
色味はこれまでのコレクションより、比較的カラフル。それでもうるさい印象はなく、ホワイト×グリーンという爽やかなコンビや、レッド×ベージュといった相性の良い組み合わせなどで提案された。タータンチェックのキュロットは、同系色のブルーのプルオーバーで統一感のあるコーディネートを。またメンズモデルがデニムパンツに合わせたボーダーセーターは、首回りの三角のVガゼットやショルダーラインに異なる色を用いたり、袖のリブのカラーを変えたりと、プレッピーな一着をポップに仕上げているのが特徴だ。ウエストバッグやヘッドバンドといったどこか懐かしい小物も自然に取り入れられている。
中盤より、ブランドらしいトラッドな要素が強まっていく。白シャツの上にざっくりと重ねたVネックのセーター、クリーンなチェスターコートとハーフパンツ、MA-1とチノパン、紺色ブレザーと柄パンツ……。優等生やスポーツマンなど、個性的豊かでクールなメンバーが集まる学園ドラマのように、彼らのキャラクターにあったスタイルが次々と登場する。
また、どこかで見覚えのあるグリーンのカメレオンは、セーターに大きく描かれたほか、トップスにポイントであしらわれた。“カメレオンは色が変わるけれど、ブランドのカラーは変わらない”というデザイナーの想いが込められた大切なマーク。変わらずリアルクローズを提案し続けていくビューティフル ピープルが贈る今季は、背筋が伸びるようにフレッシュなムードでいっぱいだった。