カラー(kolor)の2025年秋冬コレクションが、2025年1月25日(土)、フランスのパリにて発表された。
「この時間は私にとって特別なものとなります」──ブランドを設立した阿部潤一が、デザイナーとして携わる最後のショーとなった、今季のカラー。以後もカラーというブランドは継続し、阿部はその中でサポートを続けてゆくという。
阿部がデザイナーとして手がける最後のシーズンとなる今季は、リズミカルなレイヤリングや、質感に富んだ素材の多様性が特徴。プレッピーを軸に、アウトドアやワークを交えつつ、表情豊かなコレクションを展開している。
コレクションの軸となっているのが、トラッドでありつつも遊び心を利かせたプレッピースタイル。ブレザーやラインニット、トレンチコート、ダッフルコート、ボリューミーなパファージャケットなどを、縦のラインを意識しつつもリラクシングな佇まいで仕上げている。
また、カジュアルウェアに凝らしたディテールも特徴。エポーレットやヨークなど、ミリタリーの要素を取り入れたコートやブルゾン、首周りにパール装飾を施したコート、甘いレース飾りで縁取ったスポーティなジャケット、パイピング入りのブルゾンなど、さりげないディテールのデザインを溶けこませた、
こうしたカジュアルウェアに変化をつけるのが、レイヤードだ。ジャケットやコートには、温かみのあるボアベストや、スーツ地のジレを重ねて。また、装飾が華やぐコルセットをしばしば取り入れるほか、個々のアイテムを見ても、グレンチェックのチェスターコートをレイヤードデザインで仕上げるなど、随所に多層的な奥行きを持たせている。
コレクションに温かみを添えているのが、素材の豊かさだろう。上述のベストなどには、ふんわりとしたボアを。プレッピーの雰囲気を高めるVネックニットやカーディガンなどには、リズミカルにホールを設けたニットを。ターツルネックには、透かし編みなど複数の編み地を組み合わせている。また、コーデュロイジャケットの裏地にはファーを用いるなど、素材の質感を通して豊かな表情を醸しだした。