ロエベ(LOEWE)の2015-16年秋冬メンズコレクションは、ジョナサン・アンダーソンによるデビューコレクションで導入された、ロエベの進化するアイデンティティの新たな側面を表現。昨シーズンに引き続き、ノーマルであることをベースに、革新性や軽さ、素材使いといった要素を溶け込ませ、若々しくも機能的なワードローブを提案している。
今シーズンのテーマは“多次元の戯曲”。クラシックな一面やエキセントリックな一面、不器用な印象や自信に満ちた印象など、独特で多様なモチーフを美意識というフィルターを通すことで、1つの旋律を奏でるようにまとめあげている。
コアとなるアイテムはアウターウェア。スペイン産シアリングをライニングに使用したペールデニムのコートや、最高の着心地を生み出す構造のダブルフェース ダッフルコート、バッグに使われることの多いネイビースエードを採用したトレンチコートなど、今のロエベを特徴付けるようなデザイン、機能性、モダニティの融合を体現するアイテムだ。
中でもレザーを使用したブルゾンは絶品。超軽量でありながら、しなやかで弾力性のあるウォータースネークのブルゾンや、先駆的な撥水技術を用いたカンガルー アノラックなど、レザーの素材としての万能さを存分に引き出したアイテムが並ぶ。
適度なイージーさとボリューム感が印象的なシルエットを演出。しなやかなニット類とワイドパンツが、かっちりとしたフォルムを描く一方、スポーティなウェアは、高機能素材と洗練されたディテールにより、コーディネートの深みを表している。
コレクション全体を通して目を惹くのが、アイコニックなバッグの数々。ブリーフケースやショルダーバッグ、「アマソナ75」に使用されているキャンバスとカーフレザーの格子のようなデザインが作業の精緻さを感じさせる。