ファッションに関するコレクションでも有名なロンドンの美術館、V&A主催のファッションイベント、「Fashion in Motion」。過去にはケンゾー(KENZO) やアレキサンダー マックイ―ンなどが参加した事もあり、影響力の強いデザイナーとのコラボレーションが注目されている。
今回このショーに参加したのは、フランスのオートクチュールメゾン、ステファン ローラン。複数のコレクションの中から、デザイナー本人のお気に入りの作品を選り抜いてまとめたショーになった。
ファッションへの現代的かつ革新的な解釈で知られるローランの作品からは、彫刻や建築、写真に対する強い情熱が見て取れる。特に、最近の作品はアニッシュ・カプーア(Anish Kapoor)の彫刻やザハ・ハディド(Zaha Hadid)の建築などからの影響を受けている。
今回のショーに登場した作品にはシルバー、白、青、黒などの最高級のシルクやベルベッドが使われ、フォルムの美しさに焦点が絞られている。裾元に向かってドレープやフリルが大きく広がる優美なシルエットや、ドレスの一部がケープのようになっているデザインが印象的だ。また、異なる色や素材の組み合わせもポイントで、レザーとサテンを組み合わせるなど、クラシックな中に斬新さ感じさせる。2011年にはプレタポルテのコレクション発表を控えるローランの作品に、今後も注目していきたい。
Text by MIKA