タエ アシダの2015-16年秋冬コレクションが、2015年3月20日(金)に六本木のグランドハイアットホテルで開催された。エジプトやギリシャ、アルゼンチン、ポルトガル…と計30以上もの国の大使館関係者も駆けつけ、その注目度と影響力の高さが窺い知れる。
ティム・バートン監督の「アリス・イン・ワンダーランド」のテーマ曲が流れる中登場したのは、ゆるやかで優雅なシルエットのアイテムをまとったモデルたち。グレーやブラウン、ブラックなど暗めのカラーパレットが落ち着いた雰囲気を醸し出す。大人な雰囲気と対照的に、コレクション全体にわたって、子供のあどけなさが残る髪型のモデルが印象的だ。
そのあとは真っ白のスタイルが連続する。アリスの物語に登場する白の女王を彷彿とさせるホワイトでまとめたコーディネートには、シルバーのシューズやイヤリングでアクセントをつけて。
白の女王のあとは一変、オリーブ色が特徴的なアイテムは、レザーの切り替えポケットなどがミリタリー色を強める。暗めのグリーンの中に、ストライプのスカートやグラフィカルな柄のワンピースなどが映える。また、蛍光色が目を引くアイテムも登場。いわば、トランプの兵隊といったところだろうか。
終盤は、エレガントなドレスのパーティー。シースルーの下に鮮やかなパープルなどを合わせることで、動くたびに下地の色が輝くドレスや、白地に淡い色で花を咲かせたかのように起伏のあるドレスは、主役級の存在感だ。また、足元のヒールにも注目。網目状になってる珍しいデザインとなっている。
ラストは、物語の有名なシーンである薔薇園を思わせる、ボタニカルでボリュームのあるドレスで締めくくったショー。大人の風格で、若き女性アリスの物語を演出したようなコレクションは、幅広い層に向けて発信されているようにも感じた。