ソマルタ(SOMARTA)の2015-16年秋冬コレクションが発表された。
テーマは「CELESTIAL BODY」。日本語では、天体という意味になる。太古から人々は、夜空を見上げて宇宙に思いを馳せ、夢を見続けていた。オリオンやペガサス、おおいぬ、白鳥などの星座は、夜空に輝く星々をなぞり、宇宙とコミュニケーションをとろうと、様々な形に見立てたものなのだろう。
そんな星座や、星の瞬く夜空をイメージしたルックが多く展開された本コレクション。ファブリックにパワーを注ぎ、星座を立体刺繍した素材や、モチーフを描き起こし、デジタルプリントで天体宇宙を表現したものなどが使用された。
今シーズンは、ヘアーに流れ星のようなメタルのモチーフをつけた、モデルがバレエダンサーに。パレットは、ブラックやブルーなどのダークトーンと、ホワイトやライトグレーなどの明るいトーンが設定され、ビビッドなカラーは使わず、夜空を連想させるカラーのみだった。
こだわり抜いたアイテムの数々が目を引く。星座の軌跡を辿り、ファーにキルティングとスパングル刺繍をあしらったトップスやドレスが登場。さらには襟やカフス、ヨークにレースを重ね、立体刺繍を施したシャツやドレスなども展開され多種多様だ。
他にも、天体や星々の流れを、編み地で立体的に表現したハンドニットなども登場した。バレリーナらしい、体の曲線に沿ったニットが特徴の「スキン シリーズ」は、レース模様がところどころに。それにより肌が見えるところと見えないところのコントラストが生まれ、妖艶さが漂った。
ゆったりとしたシルエットではなく、美しい女性のボディラインが発揮されるように描かれた本コレクション。レースや刺繍、プリントなどを用いて表現された夜空の星座が伝えるメッセージが、洋服を通して伝わってくる。
これまでショーやインスタレーションでコレクション発表を行っていた、デザイナーの廣川玉枝。今季はルックヴィジュアルで、ブランドの世界観を伝えることに挑戦している。雑誌のエディとリアルをイメージしたというヴィジュアルは、“星座物語”の舞台に立つ、バレリーナの練習風景を描いたという。緊張感と高揚感ただようルックは、コレクションの繊細な美しさを際立たせた。