A.P.C.(アー・ペー・セー)の2016年春夏コレクションが、2015年10月3日(土)にパリで発表された。「相反する価値が共に存在する、両義的」という意の“アンビバレント(ambivalent)”をテーマに掲げた今シーズンは、メンズアイテムをそのままコーディネートに落とし込むというスタイルをメインに展開した。
メンズアイテムをフェミニンなアイテムと共生させる。このスタイリングこそが、今シーズン、デザイナーのジャン・トゥイトゥが考えるセクシーな女性らしさだと言う。そこでコレクションはメンズシャツを中心にコーディネートを披露。デニムシャツとショートパンツを合わせたり、ジャケットやコートのインナーにしたりと、その使い方は自由自在。
特にインナーとして使うコーディネートは、上に羽織るウィメンズアイテムとの袖丈の差で、シャツの袖柄を強調できるという効果も。今シーズンを象徴するスタイルだ。他にも、メンズのトップスやスウェットも使用して、ジャン流のフェミニンなスタイルを作り上げる。またこれらの足元には、ルームシューズのように気軽に履ける、ブラックレザーのバブーシュを合わせて。
そして今シーズンのビッグニュースとなったのが、「アーペーセー ジャン・トゥイトゥ(A.P.C. Jean Touitou)」というタグのついた、新たなハイエンドラインの誕生。ブラックドレスを繊細なカッティングで表現し、斜めを意識したデザインが特徴的だ。シンプルに見えながら、ストールと一体化したデザインもあり、着用時に美しく見えるよう計算され尽くしている。素材は高級なクレープ素材を使用しており、肌触りも抜群。今シーズンのキーアクセサリーとなるレザーサンダルやアクセサリーと合わせて、ミニマルでラグジュアリーなイブニングスタイルを披露した。