ローブス&コンフェクションズ(Robes&Confections)が、2016年春夏コレクションを発表した。
今季のローブス&コンフェクションズは、ヨーロッパの街中で生活をするジプシーたちにイマジネーションを膨らませて、モダンなエスニックスタイルを提案する。都会の生活に馴染みながらも、慣れ親しんだ自国の伝統文化からは離れられない、彼らの生き方。そして、長らく続いた放浪生活のなかで身に付けたスタイル。そういったところから着想を得て、全面的に押し出すのではなく、ほんのりニュアンスを感じさせるような、抑えたエスニックを打ち出している。
まずはインディゴのコート。ボディはすっきりとしたシルエットで一見シンプルに見えるが、胸元には、インド・ラバリ族の衣裳のディテールを採り入れている。また、さらりと一枚で着たいサマードレスはウエストラインを絞り、カーディガンには彫刻やのこぎりで模様を配したボタンを付けて、ほんのり民族的要素を香らせている。
コーディネートも“当たり前の組み合わせ”からは距離を置いて。セットアップにジャケットを羽織ったり、コートの上にコートを重ねたり、柄オン柄の組み合わせたり…。また、アクセサリーをたくさん身につけるジプシーのように、大きなバングルで飾って、個性的な着こなしを楽しんでいる。
一方で、変わらずテーラードにも注力。今季は、ニットやジャージといった難しい素材に真摯に向き合い、カーディガンのようにさらりと羽織れるジャケットを提案している。海のような美しい色合いのボーダー模様は、インディゴ素材を「抜染」という技法で色抜きをしたもの。かすれのある淡いグラデーションカラーは、優しさも秘めていて、洋服への愛を感じさせる逸品である。