ポール&ジョー(PAUL&JOE)による2011年秋冬コレクション。1910年代パリの伝統的なダンディズム‐マスキュリンでエレガントな紳士‐をベースに、現代風アレンジを加えた。2011年秋冬におけるレディースでは、クラシカルな雰囲気が旋風を巻き起こしているが、メンズも負けてはいられない。
今期のイメージアイコンは映画「Les brigades du Tigre」に見られる"正義の士"、SFの父と呼ばれるフランスの小説家ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne)のアドベンチャー小説に登場する冒険家たち、もしくは「怪盗ルパン」など、グラマラスで気品があり、かつアウトサイダー的な雰囲気とエネルギッシュさを合わせ持った人物達。ポール&ジョーらしいスポーティーなテイストも調和し、彼らの贅沢で完璧なクラシックエレガントスタイルを復活させた。
テイラードシリーズ「MISTER PAUL&JOE」(ミスターポール&ジョー)では、スーツ・コート・トレンチのバリエーションを豊富に展開。上質なウール、一見デニムのようなユニークなベルベット、鹿の子編みのミラノリブなど、素材にも特異なダンディズムをみなぎらせる強いこだわりが見られる。
全体的にシルエットはコンパクトで、トップス・ボトムス共に非常にタイトで丈も短め。ダークグレー、スモーキーブルー、ネイビー、ブラウンを基調に、鮮やかな朱色、マスタードイエローを隠し味に効かせている。プリントも、バッファローチェック、エスニックペイズリー、花柄、レオパードなど遊び心満点。一筋縄ではいかない紳士のイメージを底上げしている。
これ以上ないというくらいダンディなのに同時にエネルギッシュ、完璧にエレガントだがモダン。21世紀に生きる紳士は茶目っ気をも持ち合わせている。かつてこんなに魅力的で掟破りなヒーローが存在しただろうか?淑女の皆さん、一瞬の隙にハートを盗まれないよう、ご注意を!