アクネ (Acne) の2012年春夏コレクション。機能的で、透き通るような純粋性を持つスウェーデン文化とデニム文化がスウェーデンに到来した1970年代のファッションの美学がテーマ 。ラグジュアリーなスタイルからナチュラルなスタイルへと人々の好みで変化していくという、時代の流れと共に変わるスタイルをコレクションに反映させた。
今季もミニマムなデザインが多いが、異素材をミックスする事によりスタイル全体に捻りを入れている。加工されていないブルーのスウェードのジャケットとリネンのシンプルなパンツのスタイル、機能的デザインが見事に施されたデニム生地のジャケット、また滑らかで手触りの良さそうなポリエステルのコートなど、素材にこだわりを見せる事で全体のバランスを取っている。
「友人が着ていたスポーツウェアにも影響された」とデザイナーが語る様に、スポーティな服が多い。ポリエステル素材で作られたターコイズカラーのトップスは、今から山登りをしに行く男性をイメージさせる。タイトなブラックのニットウェアに水着のようなショートパンツを合わせたスタイル、サーフィンを楽しみに行く男性のようだ。
スウェーデンファッションの清らかさと、時代の流れに合わせて変化するスタイルの美学に注目した今季のコレクション。カジュアルなスタイルのみならず、エレガントでラグジュアリーなスタイルも服も多い。アクネの看板的デザインであるミニマムスタイルを崩さず、スポーツウェア等の要素を入れる事によって、スタイルに捻りを入れ、飽きさせない。アクネが理想とする男性像を見る事が出来たコレクションとなった。