イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2011-12年秋冬メンズコレクションが発表された。
「Pen」をテーマにした今季のコレクションでは、携帯電話やPCといった今や必要不可欠になったモバイルツールの陰に隠れがちな、昔ながらのツールである「ペン」に焦点を当てた。
愛の告白には、メールではなく手書きのラブレター。毎晩机に向かい、その時の感情を字に込めて日記を書く。ペンは人の生活や感情と深く結びついていた。そんな日常の1コマをジェスチャーで表しながら、ランウェイを歩くモデル達。彼らが着ているのは、インクの染みがデザインされたニットに、ペンで描いたようなランダムにステッチを施したセットアップ、さらには1940年代を思い起こさせるようなオーバーサイズのゆったりとしたコート...モノトーンにカーキ、ブラウンといったシックな色合いに、ワークテイストのパンツやシューズも、コーディネートのアクセントとして使われている。
そんなアナログな時代を思い出させるコレクションにも、イッセイ ミヤケならではの革新的なテキスタイル技法がふんだんに使用されている。ペンの胴軸のデザインからインスピレーションを得た、ステッチングレリーフと呼ばれるコートやセットアップは、緯糸に異なる太さの糸を織り込んだテキスタイル。またダウンジャケットには、手描きのツイードが転写プリントされている。
古き良きものを大切にしながらも近未来的な要素を織り交ぜてその良さを再構築する、イッセイ ミヤケの魅力が最大限に生かされたコレクションとなった。