マイケル・コース(MICHAEL KORS) 2016年フォール メンズコレクションは、スリークとスポーティという相反する2つがハイブリッドを成し遂げた。
アウターは、ピーコート、ダウン、ステンカラーコートといった豊富な提案。細身に仕立てられたシルエットは、クリーンで洗練された男性像を想わせる。一方、リラックス感のあるスーツで見せるクラシカルな装いはグレーとブラックで合わせたミニマルな装い。そこはかとなく漂うスポーティーさはリュックやニット帽などの小物から読み取れる。
随所に登場したツイードは、アウターとして採用されシンプルなスタイルを構築している。テクスチャーはしっかり。だからこそかっちりと体のフォルムを包み込み、ラインを美しく見せる。コレクションの中でも目を引くバッファローチェックは、ボルドーでクラシカルに表現し、細身のスラックスと上品に組み合わせた。
コージーなカシミヤのスウェットは、グレーカラーがより快適さを増幅させているように映る。今季のカラーはブラック、ホワイト、チャコールグレー、総じてナチュラルだ。主張は少ないが、それが故に居心地がいい。ラグジュアリーなファーコートにしてもキャメルの優しさがふわりと感じられる。