モスキーノ(MOSCHINO)は、2016-17年秋冬ウィメンズコレクションをミラノ・ファッション・ウィーク2日目の2016年2月25日(木)に発表した。
毎シーズン、軽快なパロディとともに、パーティーのようなショーを届けてくれる、クリエイティブ・ディレクターのジェレミー・スコット。今季の舞台は、古めかしい邸宅だろうか。細長いランウェイに添って並ぶのは、豪華な食器棚やチェア、テーブル、シャンデリアなど。しかしどれも壊れかけだったり、傾いたりしていて、古寂びた雰囲気が広がっている。
ショーのスタートダッシュをきったのは、そんな場内とはミスマッチなバイカースタイル。ライダースジャケットをドレスに組みかえたようなユニークウェアと、レザーキャスケットを合わせて“キレッキレ”のガールズライダーが完成。その後は、レザージャケットをアイコンに、大ぶりのサングラス、重量感のあるネックレス、ゴールドチェーンなどで着飾って、挑発的なバイカースタイルを提案している。
彼女たちと交差するように現れたのは、ドレスに身を包んだモデルたち。華奢な腕があらわになったベアトップ仕立てで、大きなビジューをあしらった。フェミニンな要素が盛りだくさんなのに、ハッとするほど発色のよいピンクやパープルで染め上げたり、思わず“重そう…”と口に出してしまうほどのビックリボンで彩って、とても刺激的な感じだ。
十分にユニークな要素が転がっているのだが、ここまで進む頃には、来場者の頭に「今季は落ち着いたシーズンなのでは?!」と一瞬頭によぎったはず…。そこで待ってましたといわんばかりのジェレミーカルチャーが到来。
カラードレスが登場するのだが、さっきまでのドレスとは違い、どれもこれも燃えてしまってボロボロになっている。穴があいて肌が露出していてしまっていたり、真っ黒に焦げ付いていたり…、洋服のそこらかしこが劣化。
そこからは、パニック状態に突入し、次から次へとユーモラスな事件が炸裂。シャンデリアをなぜかドレスにしまったヘビー級ウェアが登場したと思えば、着ているドレスから煙をもくもくとさせながら、モデルたちが歩いているではないか。しまいには、爆弾を巻き付けた子まで現れ、会場はてんてこまいに。モデルの歩いた後に煙が漂うなんて…、きっと他では見れない光景であろう。