ユキ トリヰ インターナショナル(YUKI TORII INTERNATIONAL)の2016-17年秋冬コレクションが、2016年3月18日(金)、東京・恵比寿のEBiS303で発表された。街を楽しげに歩く淑女の様子。それはショッピングの途中やパーティーに向かう道中、休日を謳歌するレディは、颯爽と風を切って歩く。
欧州のショッピング街のような風景写真に、バイオリンと声楽の流れる優雅な空間。緩やかな時の流れの中、ファーストルックを飾ったのは、トラ柄のスタンドコートにホワイトレースのドレスを合わせた遊び心溢れるコーディネートだ。足元にはハードなレザーブーツを合わせ、上下のパワーバランスを取っている。
音楽の切れ目とともに、どこかタイムスリップしたような感覚に襲われる。その直後にランウェイに現れたのは、大きな刺繍で花を描いたカットソーに、チェックとボタニカル柄を合わせたスカートを合わせたルックだ。クラシカルなアイテムと現代的なコーディネートが共鳴したバランスは、もはや新しさを感じるほどの印象を与えた。
多彩なワードローブを経て展開されたのは、レッド、ブルー、グリーンなど様々なカラーが用いられたジャカードだ。コートとドレスに同色を組み合わせているルックや、大ぶりな花柄を配したカットソーをインナーに用いたものなど、素材の雰囲気を引き立てる工夫が多数見られた。織地の端を解き、穏やかなフリンジを見せているものも多く、1つの記事だけでもバリエーションをもたらす技が感じられる。
光が暗転するとともに、コレクションはイブニングドレスが中心に。大ぶりの薔薇を配したシースルー素材は、ホワイトのアイテムと溶け合う。その後時が経つにつれて、ゴージャスなレースが目を引く3色のドレスが続いてお目見えした。
ラストを飾ったのは、ブルーのウェディングドレス。暗闇の中、周りの空気と溶け合うようにゆったりと進む女性は、色気と魅力に満ち溢れショーを締めくくるにふさわしいオーラを放っていた。