アトウ(ato)の2016年秋冬コレクションが発表された。現代の多様化したライフスタイルを意識し、一着で様々なシチュエーションに適応する多層構造のアイテムを多く展開。
まず注目したいのは、オールホワイトで手がけたアウターシリーズ。一つの服の中に様々な素材を入れ、スポーツテイストを表現した。薄く仕上げた中綿入りのフロントパーツなどを着脱することにより、クリーンさを維持したまま服のバランスや保温機能の変化を楽しめる。ボトムにはペグトップパンツ調のデニムや、存在感のあるウェスタンブーツを組み合わせることで、静けさのある白をカジュアルダウンさせた着こなしを提案した。
また、アウトドアを感じさせる止水ジッパーをつけたウェアは、シルキーで張りのある黒いフォーマル生地をあえて使用。スポーティーとクラシックを融合させたアイテムに仕上がっている。
さらに、80年代と90年代の要素をハイブリッドさせたデザインも今季の特徴のひとつだ。赤い側章入りのワイドパンツや、ネルシャツ調のリップストップ素材のブルゾンがその好例。また、オリジナルのツイード素材を採用したヒョウ柄コートも珍しいアイテムと言えるだろう。ゆったりとしたウールの量感を楽しんでほしい。
カラーパレットはブランドらしいブラックをメインとし、今回は鮮やかなレッドやブルー、ベージュを新たに組み入れている。品質の高い「残るモード」を掲げるアトウらしい、様々なシーンで活躍するウェアが揃ったシーズンとなった。