バルムング(BALMUNG)の2016-17年秋冬コレクションが2016年5月7日(土)、東京・渋谷で発表された。
インスタレーション形式での発表となった今シーズン。シルバーとブラックの装飾、不規則に点滅する蛍光灯の光に包まれた会場に9体のルックが姿を表す。
昭和の匂いがまだ残る、少し貧しさのあるような学徒をイメージの一部にワードローブを展開。体育館シューズや、ローファーをアレンジした靴、白ソックス、制服のディテールを取り込んだプルオーバーなど、学生の持つ初々しさや純粋な意味でのサブカルチャーを感じるアイテムや着こなしが目立った。
また、もう1つのイメージソースとして、小さな子供が描いたようなチープな花柄を採用。メガネのフレームやバングル。アウターのプリントなど、様々な部分に登場している。総柄のアイテムは、同系の柄を散りばめた上にブラックのレースをレイヤード。動きとともにその空気感を変える興味深いアイテムだ。
イメージを形にし、様々なアイテムに落とし込んで行くバルムング。スヌードにプリントされた白髪の人物は、死に近づく“昇天”のようなイメージを、古い日本のホラー映画から感じ取り表現したものだ。
またそのスヌードと同生地のプルオーバーは、ネックが2重になっているディテールがポイント。インパクトのあるフォルムだけでなく、細部のデザインや、ニット地のアナログな立体感など、様々な部分にメッセージはこもっている。
秋冬コレクションでありながら、ショーツなどのウェアも取り入れて展開する理由として、幅広い地域の人に愛されているという側面がある。象徴的なトップスのボリュームが引き立つコーディネートとしてだけでなく、ファッションを通してメッセージを伝えていく姿勢もブランドのストロングポイントといえよう。