ディオール オム(DIOR HOMME)の2012年春夏コレクション。美しいテーラリング技術とクリス・ヴァン・アッシュによるコンテンポラリーなクリエーションが、新しいスタイルを導き出した。 コレクションのタイトルは「LESS AND MORE」。
スーパーホワイトのルックに黒のつば広帽子とレザーシューズを合わせた、清々しいコーディネートでスタート。そして、潔い白と黒のコントラストをメインに、リネンのグレイとディアスキン(鹿革)のブラウン、ブルーの陰影が加わった、穏やかな雰囲気のカラーパレットが展開された。
シルエットは、ナチュラルなリラックス感を残しながら、ボリュームを軽やかにコントロールしてクリーンにまとめた。スリムな襟や、持ち上げられたジャケットのラペルが縦長のラインをよりシャープに浮かび上がらせ、ネックラインやウエストの輪郭を彩るディテールでスタイリッシュなラグジュアリーを魅せている。
さらに、フォーマルなカッティングとカジュアルなスタイルが絶妙なコンビネーションを見せ、Tシャツはラムスキンでしなやかに、パーカやトレンチはシルクタフタでドレッシーなアイテムに生まれ変わる。ナチュラルなコットンボイルのTシャツも、テイラードタッチでノーブルな雰囲気。
抑制されたスタイルだからこそ滲み出てくる、洗練されたDior Hommeのスピリットが冴え渡る、美しいコレクションとなった。