ラッド ミュージシャン(LAD MUSICIAN)の2016-17年秋冬コレクションが発表された。テーマは「Unknown Anarchism」。
音楽から多くのエッセンスを得てクリエーションに向き合う黒田雄一が、今季影響を受けたのは、SightingsやWolf Eyesが奏でるノイズミュージックと、Derek Baileyのインプロヴィゼーション(即興演奏)。彼らの音に触れることで湧き上がってきたイメージを洋服に落とし込んだ。
シルエットは、ビッグとタイトの要素を併せ持つ新しいフォルムを追求。ドロップドショルダーのジャケットは、ラフな肩周りに対して、ウエストはシェイプさせたデザインに。膝上を膨らませたパンツは、膝より下をスリムに仕立てて、独自のバルーンラインを描かせる。ワイドパンツは切り替えで裾口を絞り、ロケットのようなフォルムに設計。
定番のトレンチコート、ライダース、チェスターコートは、体系を曖昧にさせるほどビッグシルエットに仕上げて、個性的に。MA-1にはリフレクターでクロスモチーフを添え、カーディガンには大柄の手編みニットをモチーフにしたスパイダーニット柄をあしらって、豊かな表情を引き出した。
また今シーズンは、フォトグラファーのデニス・モリスと約10年ぶりにコラボレーション。「未知なるアナーキズム」という抽象的なテーマをリアルに描くため、パンクのオリジネーター、シド・ヴィシャスとジョニー・ロットンの表情にフォーカスし、Tシャツやスウェットを飾る。
Photographs Rei