リック・オウエンス(Rick Owens)の2012年春夏コレクション。「NASKA(ナスカ)」と名付けられた今シーズンのコレクションは、空から見えるペルーの古代地上絵からインスパイアされた。美しい建築物を思い出させるような、放射線状に施されたジオグラフィックな模様と、リック オウエンスが提案する新しいスリーピースが目を惹く。
カラーパレットはアイスグレー、チャコールグレー、オフホワイト、 ホワイト、ブラックなど。リック・オウエンスの真骨頂と言えるカッティングとシェイプが堪能出来るよう、静かで冷たい色合いを揃えた。繊細なジョーゼット、シアサッカー素材のジャケットにシースネークのレザージャケット、上質なカシミヤやメリノウールのサマーニットウェア、そして強いインパクトを与えたフューチャリスティックなサングラスなどで展開されている。
ほぼ全てのルックにコーディネートされたロングチュニックやスカートは、斬新でありながらもエレガント。ショートジャケット、ハリ感のあるスプリングコートにロングスカート、そして様々な丈のチュニックで仕上げるスリーピーススタイルは、ランウェイで「魅せる」ショーならではの斬新なアプローチであり、リックの考える「男性のエレガント」を醸し出している。
「地上絵のシンボリックな放射線や、洗練と粗野の絶妙なバランスは、神秘的な儀式を彷彿とさせ、また魅了される。」と、リックは語る。元々男性はユニフォームとしてスカートやキルトを纏ってきた歴史がある。そのスタイルは、より理想的で崇高な戦士達のような存在となって、このコレクションに命を宿した。斬新でありながらエレガントに、また贅沢なスタイルに仕上げたコレクション。