フェンディ(FENDI)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月20日(月)にイタリア・ミラノで発表された。
「太陽と楽しさ」をキーワードに掲げた今シーズンは、茶目っ気たっぷりなのにエネルギッシュ。“トラベラー”な男性を思い浮かべながら、普通っぽさと複雑さのバランスで、意外性のあるスタイルを築きあげた。
注目すべきは、細幅と太幅の両方を揃えたストライプのテキスタイル。ジャカードやプリントを用いて、スーツなどのワードローブだけでなく、トートバッグやトラベルバッグに至るあらゆるものが、リズミカルに仕上げられている。蜃気楼越しに見たかのごとく波打つ縞々は、ニットの首元やバッグのショルダーストラップといったディテールにも姿を現した。
そんなフレッシュなファブリックの中でも、やはりブランドの得意とする革を採用したアイテムは一際目を惹く存在。しかし、旅に出る軽装を意識してだろうか、今季はあくまで控えめ。柔らかなレザーは裏地に用いられ、緩いノーカラージャケットにはポケットだけ、あるいはそのパイピングにあしらわれている。
流れるように滑らかなコート、カジュアルなパーカやブルゾン、実用的なシャツジャケット、シルクのトラックスーツなど。テイストに差はあれど、柔らかなフォルムにソフトな素材が相まってリラックスした雰囲気が漂う。なかでも、夏のファーともいえるパイル地の一種“テリークロス”を用いたガウンは、バカンスムード満点でそれ単体でプールサイドを連想させるほど。
そこに紛れ込んだ、ハッピーなモチーフの数々は旅への高揚感のしるし。怒ったり笑ったり、いろんな表情をしたトラベルバッグやガーメントバッグもそう。カメラケースやストライプのポーチを首にかけ、スリムなメタルフレームのサングラス、カラフルな花が配されたバスケットハットなどの必需品も忘れずに備えて……。旅に出る彼らは、個性に溢れ、そしてクリエイティブであった。