リック・オウエンス(Rick Owens)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月23日(木)、フランス・パリで発表された。コンクリートがむき出しのがらんとした会場の中央に階段が1つ。質素で力強い空間に、心地よい緊張感が漂う。
突如照明が落とされ、優しいギターの音色が響き渡る。1つの静寂の中、モデルは階段を降りてそろそろと出現した。大きくねじれたトップは、ボリュームをもたせながらも体のラインからは大きく外れない。それに対しボトムスは、布地とは思えないパワーを放ちながら、靴をも飲み込んでいる。
全体を通し、ボトムスにボリュームを置いたバランスを提示。布だけでなくレザーを用いることで、パンツの持つエネルギーは強大化している。一方カットソーは、シンプルなシルエットを始め、シースルーの素材も織り交ぜることで、軽量感を演出。終盤に登場するアウター類も、極端に着丈を短くし、胸まで届きそうなパンツと好対照を示している。
象徴的に用いられているモチーフは、放射状に伸びるステッチなどの装飾。ブラックのテキスタイルに黄色の糸で乗せられていたり、ビジューのようなもの組み合わせてアクセサリーのように揺らめかせたりと、様々な見せ方を披露した。