2011年10月2日、パリファッションウィークにて、イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2012年春夏コレクションが発表された。新デザイナーにの宮前義之を迎えての初めてのコレクションとあって、発表前から大きな注目を集めていた。会場ではランウェイから天井に向けて光が流れるような演出がなされ、真っ白なランウェイに映し出された様々な形の光はまるで命を持ったかのように動き出した。
今回のテーマは透明感としなやかさの中に強いエネルギーを秘めた「bloom skin」。その言葉通り、開花を待つ無垢なつぼみがゆっくりと花ひらき、さまざまな色と形で世界を彩る様子が見る者に希望をもたらした。
上品な光沢とミニマルなデザインがポイントのヌードカラーのスーツや、 Chirstphe Coppensによるつぼみをイメージしたヘッドピースは、優しい色合いと絶妙なフォルムで繊細なフェミニンさを表現しながら、どこかストイックな印象。植物がもつしなやかな構造をイメージしたというソフトな色合いのコートやブラウスは柔軟な曲線が優しく体を包み込み、清楚で透明感のある女性像を演出した。
フィナーレを飾ったのは、柔らかなシルエットに大輪の花があわせ持つ強さと優しさの二面性を表現したダイナミックなプリントがされたドレス。太陽のように明るいオーラで会場全体が息をのむほどの神秘的な輝きを放ち、咲き誇る花々の生命力を感じさせる美しいドレープが爽やかな春の風をはらんだ。
「服作りに携わる人、着る人、すべてが夢と希望をもてるような仕事をしていきたい」と考え、産地の職人と協働するモノ作りの初心を伝えると同時に、今後もメイド・イン・ジャパンならではの技術と思いをこめた服を発信していくというISSEY MIYAKEのステートメントが込められたコレクション。最後に、天井へと繋がる一本の光を取り囲むようにモデル達が登場し、まるで新しい季節の訪れを祝福するかのようにショーの終わりを告げた。