ジル・サンダー(JIL SANDER)は、2017年春夏コレクションを2016年9月24日(土)イタリア・ミラノで発表した。インスピレーションを与えたのは、80年代の強い女性たちだ。
今シーズンのジル・サンダーは、とにかくビッグだ。肩パットをいれたかのような真四角なシルエットがシーズンスタイルのようで、ジャケットにもドレスにもコートにも採り入れられている。テロンとしたソフト&スムーズな素材さえも、この‟ロボットフォルム”に調理。また、力こぶのような丸みのあるアームラインも特徴的で、フェミニンなプリーツ地で構成されている。
装飾は、無機質なまでにそぎ落とされていて、ぱっと見メンズがウィメンズかもわからないほど。ポケットも非常に大きいし、ボトムスからは股上の深いボクシングパンツのようなものが提案されている。それらのビックアイテムに、袖口にカッティングを入れたり、バックスタイルにフリルをあしらったりするのだが、そのアクションがウィメンズコレクションであることを再認識させてくれ、安心材料を担っている。
特に、スリットの採り入れ方はユニークで、メゾンの中心の担うマニッシュなシャツやミドル丈のドレス、レザーブルゾンなどに思いがけない動きを与え、エレガンスを添えている。
装いはパワーウーマンそのもの。しかし、アクセサリーやシューズは華奢でエレガントである。足元はどれもミュール型のサンダルで、耳元には揺れ動くほど大きなピアスをセット。ラストに向けては、装いにもキラキラとしたラメコーティングを採り入れて、花を持たせている。