Karen Noblesse Oblige(カレン ノーブレス オブリージュ)が2012年春夏コレクションを発表した。今季のテーマは、パリを中心に始まった美的価値観を共有するためのサロン文化にインスピレーションを受け「Cafe Society 1950~1960」。カフェ・ソサエティはパブロ・ピカソを始めとする様々なジャンルのアーティスト達が集い、金銭的援助を求めてブルジョワ達や貴族を呼び込んだことから始まった。今季のテーマはそんなカフェ・ソサエティのメンバーThierry Coudert(ティエリ・クデール)編集による写真集へのオマージュだ。
ロングスカートは表面をシルクオーガンジーでボリュームを出し、バレリーナの衣装のように華やかで繊細な印象に。頭にはスカーフを巻きあごの下で結び、ちょっぴりどこかおてんばなパリジェンヌならではのスタイル。シルエットだけを見れば、サロンにいてもおかしくない上品なスタイルへと仕上がった。
スケルトンに大柄のドットのレインコートは、ポップで雨の日でも外に出るのが楽しくなりそうな一着。レインコートの帽子もつばを広くとり、かわいいだけでなく実用的な面でも満足させることも忘れない。中には純白のボウタイシャツを入れ、ポップな中にもしっかりと女性らしさを取り込んだ。
ショートジャケットに、シルクハットと合わせる事で紳士的なイメージを抱かせる。そこにあえて黒いジャケットではなく、白と黒をクロスさせたパターンで遊び、モノトーンでシックに決めた。中にはキリンのアニマルプリントのインナーを挟むなど、エレガントでありながらポップな大人の遊び心が垣間見えた。
キリン柄のシャツや、セットアップ、オールインワンは、アヴァンギャルドな印象を放ちながら小さな柄をちりばめる事で上品な印象に。花の凹凸が一際目を引くショートパンツは、全体をブラックでカモフラージュさせながらも存在感抜群で、トップのシャツに負けずに個性を主張するデザインだ。
また、全てのスタイルに共通して足元はあえてフラットな靴を選び、時にはビーチサンダルを入れて現代的な遊び心を上手く取り入れた。仮面、ステッキ、サングラス、スカーフ、などと服以外の小物使いも注目してみるとユーモアが溢れておりカレン ノーブレス オブリージュの世界観を楽しむことができる。
洗練されたアヴァンギャルドなライフスタイルを楽しむ様子を、エレガントでありながらカジュアルポップに、そして大人の遊び心を感じさせる現代の息吹で表現し蘇らせた。