マルニ (MARNI)の2017-18年秋冬メンズコレクションが2017年1月14日(土)にイタリア・ミラノで発表された。 20年以上に渡り、創業者兼クリエイティブ・ディレクターを務めてきたコンスエロ・カスティリオーニの退任が発表されたのは昨年の12月。その後任という大役に抜擢されたのはフランチェスコ・リッソである。彼がマルニの歴史をどのように繋いでいくのか、今回のショーには注目が集まっていた。
その期待に応えるファーストルックは濃厚な赤。ジャケット、スラックスともにゆったりとしたリラクシングなピースに、違和感を覚える鎖付きのレザーベルトを締めている。そして、なぜだか全体にはクローゼットにしまい込んでいたかのようなシワが所々に残っている。
チェック柄のシャツ、端正なテーラードのコート、後に続くものほとんどに見られる薄っすらとしたシワは、加工と言うより時を経てついてしまった印象だ。オシャレを楽しむ若者がクローゼットに眠る服を引き出してきたのか、はたまたファッションに無関心な若者が興味を覚え出したのか。いずれにせよどこか未完成、あるいはちぐはぐな部分を感じる。 色や毛足の異なるファーを組み合わせたガウン、ランダムに入り乱れるボーダーのカットソーなど、類義として再構築によるデザインも目立った。
スタイリングは、ラグジュアリーなコートにカジュアルなコーデュロイのセットアップとスニーカー、ボリュームボアのパーカーをキルティングのパンツにタックインするなど、どこかミスマッチなのは先述した通り。その未熟な要素は、今後の成長を予期させ、私たちの目には間違いなく魅力的に映った。