モスキーノ(MOSCHINO)が、2017-18年秋冬メンズコレクションとウィメンズプレフォールコレクションの統合ショーを2017年1月14日(土)にイタリア・ミラノで発表した。
色鮮やかな序盤のルックには、SFチックなアニメーショングラフィックが映し出されている。ウィメンズの古典的なコルセットからメンズのフィールドジャケットまでが、モスキーノワールドに染まっていく。時を刻むデジタル時計も、赤とグリーンの閃光を放ちその一瞬をドレスルックに刻んでいる。
スタートこそ近未来的な印象を受けたが、今シーズンのメインはあくまでミリタリーだ。フィットアンドフレアのドレスはチュールまでカーキで、コンパクトなミリタリーシャツやブルゾンでスタイリングされている。
テキスタイルは芸術とミリタリーのドッキングによるもの。手荒に書きなぐったような黒の花模様は、軍服を個性的な表情に変えた。可憐なバラの花はモスグリーンに、迷彩柄は現代アートのようなポップカラーにして、色味に捻りを効かせている。極め付けは永遠の苦闘を描いたイタリア式のフレスコ画とのマッチング。終盤に差し掛かる頃には、その神聖なグラフィックが黒く塗り潰されており、まさにジェレミー・スコットの奇想天外さが浮き彫りになっている。
小物使いもミリタリーを色濃くさせた手段のひとつ。ボンテージベルトをあたかもコルセットのように巻いてみたり、スリーピーススーツのベストの役割をもたせたり、正装をユーモラスに再定義している。金装飾をふんだんにあしらったヘッドピースは最後のランウェイを駆け抜けたジェレミー自身もお気に入り、今シーズンの陰の主役である。