1906年に、アメリカを大地震が襲った。それよりも前に使用されていた工場のフライヤーでは、女性をたくさん雇用することを誇張する内容が記載されており、当時の社会状況が見て取れる。
このポストカードは、1908年のサンフランシスコを写したもので、右側にリーバイスの建物が見える。甚大な被害を負った2年後には完全なる復活を遂げており、その時代におけるリーバイスの絶対的価値や実行力が見て取れる2つの写真となっている。
コーンミルホワイトオーク社が、アモスケイグ社に変わり、501ジーンズに生地を提供し始めたのが1915年。同社との関係性は現在でも継続しており、100年以上にわたり最もオーセンティックな生地を提供し続けている。
同社が、レッドセルベッジでリーバイス専用デニムを製造し始めたのが1920年。これは現在のリーバイスデニムと全く同じもので、リーバイスとコーンミルホワイトオーク社が築き上げた進化の数々が、501の歴史と言っても過言ではない。
「501 XX 1915 MODEL」は、生地はもちろんポケットのステッチや打ち抜きリベット、サスペンダーボタンなどを再現。1890年のモデルと比較するとポケットは2つになり、レッグは太めに設定されている。
1929年に訪れた世界恐慌の真っ只中、1933年に誕生したモデルは、時代とともに替わっていく穿かれ方に適応したその変化を見て取れるデザインが特徴だ。
まず、ベルトループとシンチ、サスペンダーボタンが全て取り付けられている。サスペンダーを着用しない若い世代は、リベットのあたりでシンチを切り落とし、サスペンダーボタンも取り外していた。当時このような男性客が多かったため、店舗によってはシンチを切り取るための大きな鋏をレジに常備するところもあったほどだ。
もう一つの特徴としては、レザーパッチの下にある白いラベルだろう。ここには、ブルーイーグルと“NRA”の文字が印刷されており、これはアメリカの全国復興法(National Recovery Administration)のロゴだ。フォルムは、1915年のモデル同様太めだが、股上は若干浅めに変わっている。
その後、1937年にもモデル変更が実施されたが、より大きな変化が加わったのは、1944年。第二次世界大戦に際する事情を反映し、あらゆるディテールが変えられている。
戦時中は、あらゆる物資が戦争に優先されるため、ジーンズを作る際も資材を節約することが求められた。金属、布地、糸どれもを節約するために、あらゆるパーツのリベットを省略した。