トム ブラウン(THOM BROWNE)の2017-18年秋冬コレクションが、アメリカ・ニューヨークで発表。チェック柄に蝶ネクタイのペンギンが佇む、凍った湖のような会場に心なしかひんやりとした空気が流れている。
ブランドらしい青みがかったグレーのセットアップが、ファーストルックを飾る。チェスターコートの袖口と裾には、ファーがあしらわれ、長く伸びたシャツの袖には、親指を通す穴が設けられている。ブーツには、スケート用の歯がつけられている。当初の印象通り、どうやらここは氷の上のようだ。
シャツとタイ、ジレを全てのモデルが着用しているように、マニッシュなワードローブ。しかし多くの場合コーディネートの重心は高めに設定されており、重たい印象は全く感じずフェミニンな空気感は損なわれていない。
また、柄の使い方も女性らしさをもたらしてくれる大きな要因だ。アーガイルやブロック、千鳥など様々なチェック柄、ストライプ、プリント。これらはメンズで用いられるよりも大きく採用することで可愛げな印象にまとめられている。
シャツとタイについては先にも触れたが、このモチーフはアクセサリーにも反映されている。一番目立ったペンギンのバッグ以外に、バッグやシューズには、ミニチュアのスーツのようになっているものも多く、ワードローブを通じて、“南極のイブニングスタイル”を感じさせる運びだった。