ハナエモリ マニュスクリ(Hanae Mori manuscrit)の2017年秋冬コレクションが2017年3月23日(木)、東京・表参道で発表された。
今季のテーマは“Combine”。個々で美しい、異なるものを組み合わせ、共存させることで独立した美しさを目指した。左右で柄が異なったり襟がアシンメトリーなコートや、大胆に入った切れ込みからプリーツが覗くトップスやスカートなど、カッティングや素材にその意識が現れている。
カラーブロックで分けられたテキスタイルのワンピースや、折り紙のように胸の前で折られたひだが立体的なドレスなど、直線や曲線が洋服の中で踊る。カラーパレットはスモーキーなカーキやベージュなどアースカラーが中心。会場の照明は衛星のような照明で、ショーの空間は大地と宇宙のコントラストを表現している。
曲が大地の息吹のような強いビートに変わると、コレクションの様相もリアルクローズからドレスへ。シャイニーな素材とマットな素材を同系色で組み合わせたものなど、異素材が共存する美しさがより際立つ。
目を引くのが幾何学模様や曲線で配された木目。これは、実は本物の木で作られている。デザイナーの天津 憂が自然の年輪を美しいと感じ、ずっと洋服に落とし込みたかったものであるという。黒の布と合わせることで、ハードとソフトの両面性が洋服に面白い質感を生み出していた。