ディオール(Dior)の2017-18秋冬オートクチュールコレクションが発表された。
デビューコレクションから70周年を祝福する今季。アーティスティック ディレクターのマリア・グラツィア・キウリは、メゾンの世界展開を物語る地図が描かれた1953年制作のアルベール・デカリの彫刻と 「完璧なコレクションは、すべての国のすべての女性像を対象としなければならない」という言葉をインスピレーション源に、メンズワードローブの要素とエスニックなアイテムを組み合わせた。
パイロットが着ているようなブルゾンを思わせるコンビネゾン、キュロットスカートのような形のジャケットなど…波乱の探検を続けてきた女性冒険家に着想を得て、メンズワードローブで用いられるような生地に輝きやほのかな明るさを加えている。手に握られたグローブ、マスキュリンなフェルト帽も彼女たちに必要不可欠なアイテムだ。
前半、カラーパレットはブラックやグレーを基調としているが、赤色と重ねたオーガンジーのスカートや光沢感のあるトップスなど、イメージは実に軽やか。シルエットは、ワンピーススタイルでもパンツスタイルでもフレアに。細いベルトでウエストマークをし、歩み続ける女性の求める動きやすさと、美しさが共存している。
コレクションが進むにつれ、探検はより鮮やかな色彩の世界へ。マルチストライプのワンピースや、まるで地図のような色彩のベルベット、タロットカードの刺繍を施したケープが登場。ナイトカラーや、全面に花々が咲き誇ったイブニングドレスは地図や地球儀のある時、ある空間にいるかのよう。文化やスタイルを探求し続ける女性らしさ、冒険を続けた先に見えた世界の美しさが垣間見えるコレクションだった。