ミナ ペルホネン(minä perhonen)の2017-18年秋冬コレクションを紹介する。
テーマは「Le feu et les fleurs 火と花たち」。とめどなく変わりゆくキャンドルに灯る火の美しさ。そして優しく咲く花のような美しさ。儚くて時には情熱的な2つの美しさをワードローブに落とし込む。
今シーズンを象徴するテキスタイルのひとつ「candle」は、その名の通りキャンドルを描いた滑らかなウールジョーゼット。消しゴムハンコでひとつずつ絵具をのせては押し、描かれたろうそくは温かみと儚さのどちらもを感じさせる。ウエストで少しだけキュッと絞った時にできるドレープが絶妙で、着る人の動きに合わせてスカートがなびくたび、まるで小さく灯った火もぼんやりと揺れるかのよう。
花の万華鏡の意味を込めて付けられた「flowerscope」の名を冠したテキスタイルには、所狭しと花が散りばめられた。シルクウールにプリントされ、優しく、でも情熱的に咲く花をまさしく表現したこの1枚のテキスタイルはワンピースやスカートとして仕立てられた。ウエストや首元の小さなギャザーによって、色の重なりがより複雑になることで「万華鏡」の彩は踊るような高揚感をみせる。
最後に紹介したいのは、「petal flame(花びらの炎)」という今シーズンのテーマを最も顕著に表した柄だ。花びらのようにも炎のようにも見える刺繍は、チュールの素材に落とし込むことで、まるで生命を持ったかのように生き生きしている。花と炎、2つから感じられる色柄の楽しいリズムは、どこかに出かけたくなる衝動を服から思い起こさせてくれる。