ヴァレンティノ(VALENTINO)の2018年春夏コレクションが、フランス・パリで発表された。コレクションノートには、ルドヴィーコ・アリオストによるルネサンス期イタリアの叙事詩『狂えるオルランド』の一節と、月と星の物語が綴られている。
詩的で優雅で、そして前衛的なシーズン。ヴァレンティノならではのクチュール的テクニックを随所に散りばめながらも、掛け合わせたのはモダンな視点だ。
スタートダッシュは特に斬新なもので、PVCで作ったライダースジャケット、大きなポケット付きのフーディジャケット、袖口を大きく開けたタンクトップが続いた。素材、シルエットは現代的であるが、重なるようにのせたスパンコール装飾や、派手になりすぎないソフトな色使いなどがメゾンの品格を香らせる。
その後も続くチャレンジングなピース。ジャンプスーツ、ウエストポーチとショルダーストラップが一体となったバッグ、クロップド丈のフルジップトップス。
春らしい優しい色味で染められたワンピースは、タンクトップタイプでミニ丈。ポルカトッド柄が軽やかなテキスタイルの上で踊り、襟元にはカラーアクセントが添えられている。足元にはソックスタイプのスニーカーを。一つひとつのピースがまとまり集合体となり、若々しくフェミニン、それでいて上品な新しいヴァレンティノスタイルを築き上げていく。
ラストにかけては、ピエールパオロ・ピッチョーリの新しい世界に”ザ・ヴァレンティノ”という優美なドレスを溶け込ませた。おとぎ話のようにロマンティックなドレスのキーワードは花。大小様々なエンブロイダリーが並んだり、オーガンザを花びらのように仕立てたり…表現方法は様々だ。