2012年3月5日、サカイ(sacai)2012-13年秋冬コレクションをパリファッションウィークで発表した。初のランウェイショーを開催した前季に続き、今季は初の公式スケジュールでの発表となった。世界中から集まった招待客のラインナップからも、その世界的な注目度の高さが伺える。
ファーストルックは白のシャツワンピースに黒のコート。裾からはレースがちらりと覗き、振り返るとバックの生地はネイビーで、ツートーンのプリーツのデザインになっている。このルックが象徴するように、異なる色や素材、デザインを使い、前と後ろで全く違う表情を見せるのが今季のポイントだ。前から見るとワンピースのスタイルも、後姿はブルゾンやベストとプリーツスカートのコーディネートだったり、ボリューミーなニットのバックがセクシーなシースルーだったり、着るだけでインパクト大のスタイルが出来上がる。
タキシード風ジャケットやミリタリージャケット、レザーのバイカージャケットなどマニッシュなアイテムが、フリルやプリーツ、ランジェリー風のサテンとレースの組み合わせなどでフェミニンにアレンジされているのにも注目だ。カジュアルなナイロンブルゾンにもラグジュアリーなファーを組み合わせたり、アーガイル柄のポロシャツ風ニットが、クチュールライクなフリルスカートにつながっていったり、意外性のある組み合わせが新鮮に映る。
ベーシックの可能性を追求し、想像を超えた豊かなスタイルをどんどん生み出していくサカイ。独特の感性が導き出すデザインに、女性デザイナーならではのエレガントで細やかな息遣いも感じられるのが印象的だった。