2012年3月21日、シセ(Sise)が2012-13年秋冬コレクションを発表した。テーマは「非日常のなかにある日常」。一切装飾のない薄暗い会場はスモークがたかれ、ファーストルックがその中から浮かび上がるように登場した。今回のショーでは非日常的な空間の中で、観客が傍観者のような存在としてデイリーウェアを観るというイメージにしたかったのだという。モデルもすべて外国人を起用したのは、非日常的なイメージを出したかったから。彼らの透明感のある雰囲気が、ブランドのコンセプトをまっすぐに表現する。少年性とは、仲間たちと最後に共有した時間の記憶であり、戻らない時間への憧れである。
「奇をてらったデザインでない服でランウェイをしたい」というデザイナーの言葉通り、コレクションはジャケットやコート、パンツにカットソーとシャツで構成された。カラーパレットも黒、白、グレイ、そしてダークグリーン。今季は初めてチェックのアウターが登場した。シルエットは細身になり、より洗練された。クリーンでミニマムだが、切り替えしのラインやフードの大きさなどディテールまでこだわったデザインだ。
テーマについて、「どんな人であれ毎日が日常。その人にとっての日常がすべてで、特別な日常なんてないということを訴えたかった」とデザイナーは語る。音楽は全シーズンのショートフィルムと同じ、アイルランドの若手バンド"team me"のもの。彼らの曲のイメージで、フィナーレは白一色で統一された。