2012年3月22日、ネ ネット(Ne-net) が2012-13年秋冬コレクションを発表した。森の中に居るような鳥のさえずりと、木漏れ日が揺れる中コレクションはスタート。今回は、パリのメゾンオブジェでも作品として展示していたのと同じ、「liviing together,being together.(共存と、共生)」がテーマ。人間、動物、自然という限りある命を前にして、当たり前であるこのテーマを、ネネットなりの表現として洋服に落とし込んだ。
始めに登場したのは、全身を緑の葉のようなフリルで包んだ森の木のようなワンピース。そのワンピースのフリル一枚一枚の葉には動物が描かれてあり、思わず笑みがこぼれてしまう。カラーパレットは、アースカラーをメインに淡いパステルカラーも展開。テキスタイルも豊富で、温かみのあるパッチワーク、森の柄をしたゴブラン織、チェック、ボーダーなどが登場した。
滴の形をした中抜きの生地で作られたワンピースは雨を表現。全ての柄や、装飾にストーリーが存在するのだが、自分なりの創造の世界を楽しんでもらいたいと、デザイナーは多くを語らなかった。そうして、服を着る楽しみや喜びを感じてほしいということなのだろう。
ヘビ、ウザギ、モグラ、ゾウ、ハリネズミ、アライグマ、キツネ、オオカミ、クマ、キノコ、木などといった多くの動物や植物、森の住人ピノキオがキャラクターになり登場し、コレクションをを盛り上げた。商品としても展開される身体を包み込む様に作られたニットのシロクマとクマのケープはインパクト大。また、ふんわりとしたシルエットが多いマウンテンジャケットを始めとした、ダウンジャケット、サーマルインナー、エプロンのようなワンピース、トレーナー、マキシ丈スカートとワンピース、ニットカーディガン、などが揃った。
足元には、アウトドアを意識したマウンテンブーツや、フラットシューズ、そおしてキツネの形をしたファンシーなブーツも登場した。「今回の震災で、自然は怖く、私たち人間は無力であると感じました。そこで、もう一度考え直し、出来る範囲で自然と共生して行くことが出来たらと思いました」とショーの後デザイナーの高島は語った。震災から一年が経過した今、自然、動物、人間が共存するための前向きなメッセージを感じながらも、ネネットの世界感を存分に味わえるコレクションとなった。