フィーニー(PHEENY)の2018-19年秋冬コレクションが発表された。テーマは「6367miles」。
デザイナー秋元舞子のクリエーションは旅からはじまった。憧れのニューヨーク、初めてのニューヨーク。彼女にとって思い出の地となったアメリカの大都会が、今季の起点となっている。
“ポップに着て欲しい”そう願って差し込んだニューヨークのエッセンスは、とにかくチャーミングである。写真で見てたマンハッタンのビル群、皆で食べたホットドッグ、何でもないお土産屋さんの NYグッズ。旅の思い出を一つ一つ大切に回想していくかのように洋服に落とし込んでいく。自由の女神やアメリカ国旗は、その正体を曖昧にするかのように太さの異なるラインで描かれレーヨンサテンのドレスやブラウスにプリント。ジャンキーなアメリカンフードは、カシミヤ混のインターシャニットの上で蘇っている。
袖を通すとわかる繊細なディテールと鏡に映ると気づかされる女性的なシルエット。フィーニーのDNAを体現する定番シリーズからは新色が登場。キャメルを仲間に加えたワッフル地でワイドパンツやトップスを製作。スウェットシリーズには明るいライトブルーを取り入れて、クルーネックトップスとフーディを完成させた。
全て国内生産だというフィーニーの洋服。今季最もユーモアを感じたのは、デニムとニットのドッキングシリーズだ。まるでニーハイブーツを履いているかのようにみえるトロンプルイユ風のボトムスは、膝上から足首にかけてのフィット感がピカイチである。スカートバージョンは赤やイエローのニットを差し込みポップな配色に仕上げているが、スリット入りのエレガントなシルエットで、思った以上にクールに決まる。