パリファッションウィークで発表された、シャネル(CHANEL)の2012-13年秋冬プレタポルテコレクション。ショーはパリのグラン パレのガラス屋根の下で、明るく光るアメジストやロッククリスタルなど鉱物の石柱をバックに繰り広げられた。
ヘマタイト、アジュライト、黒曜石のシックなトーンを、サルファ、ラピスラズリ、エメラルド、アメジストなど多彩なジュエルカラーが引き立てている。バイオレットのツイードは屈折した光を生み出し、火山のようなコーティングを施したコットンは、シルバーの輝くルレックスの糸が織り込たもの。ウールとメタリックの輝きをかすかに放つテクニカルな素材とのコンビネーションが、ランウェイの石柱とリンクする。斑点の入った玉虫色の「ファーよりも柔らかな触り心地」のフェザーは暖かみをもたらし、チェコのキュビズム風のクリスタルや鉱物のモチーフは、きらりと光るビニールのプリズムで表現された。
「ジャケットと、パンツの上に重ねたリトルドレスで構成される新しいスリーピース」という新しいスーツスタイルを提案。丸みを帯びた大きな袖が付いたロング丈のライディングコートや、ファスナーを開けるとコートになるオールインワンも登場。ストリングやギャザーを寄せたベルトでボリュームを強調し、「ボーイ シャネル」のハンドバッグと同じステッチによってそのシルエットを際立たせている。
襟の下やプリーツの間、カフスやベルトのバックル、ボタンやジュエリーにもストーンが重ねられ多彩なきらめきが顔をのぞかせる。ラガーフェルドが「salome decapotable(オープン トゥシューズ)」と称したフューチャリスティックなデザインのサンダルのヒールにも同様にアメジストやクオーツ風の装飾があしらわれた。最高の技術と、ラガーフェルドの尽きることのないクリエイティビティがあってこそ実現する、圧巻のコレクションだ。
※画像はすべて©CHANEL
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