ファセッタズム(FACETASM)の2019年春夏メンズコレクションが、2018年6月20日(水)にフランス・パリで発表された。
好きなものを全部繋げてしまおう。デザイナーの落合が今シーズンの服を作る上で、思いついたのがそれだった。コンセプトは「together」だ。総レースのシャツとパンツから始まったランウェイは、装飾を徐々に重ねていく。と同時に解体と再構築を複雑化させていった。
袖や身頃で濃淡の異なるジャケット、ネイビーとカーキのナイロンツイル素材からなるMA-1、そしてブルーとブラックのブルゾンを前後逆にしたあべこべなスタジャン。これらが蓄積してストリートムードが高まるなか、ウエスタン調のフリンジ付きポンチョや、ミリタリーなサファリジャケット、トラッドなチェック柄のスラックスなども加わり、何かと何かのドッキングがワードローブを構成していく。
ハイブリッドの手法はファセッタズムの得意とするところだが、今季はどこか荒っぽい。繋ぎ合わせるためのジッパーが最後までしまっていなかったり、シャツは斜めになってギャザーみたいになっていたり。
でもそれはおそらく、悪い意味ではなくて、そこには愛みたいなものがある。だってこの荒っぽいワードローブは、落合の直感的な好きからはじまったデザインだからだ。