トーガ(TOGA)の2019年春夏コレクションが発表された。テーマは、"SPORT,AIR,SCRUNCHED"。
今シーズン、着想源となったのは、世界中の様々な国や都市で目にする光景、そこからイメージできるもの。それぞれの都市が内包する都会的な空気や、エキゾチックな雰囲気、クラシカルなムードを、トーガらしい感性でミックスしたピースが展開された。
最も特徴的に取り入れられたのは、ニューヨークやLAなど、アメリカの都市で目にすることの多いスポーティーなサイクリングパンツだろう。脚にぴったりとフィットするハーフパンツは、ビビッドな色彩や華やかなパターンに彩られ、ランウェイに度々登場している。
サイクリングパンツをはじめとするスポーティーなアイテムは、"自ら身体を鍛え、デザインし、コントロールする"という、アメリカの都市に暮らす人々が持つ意思をも汲み取ったものだ。
ヨーロッパの街並みから連想される中世の石像やロココ調の花柄は、襟の付いたシャツ風トップスに配した。テーラード風ジャケットやアーガイル柄ニットなどに採用した、袖から腕を覗かせるディテールも、西欧のロングマントにインスピレーションを得ている。ジャケットとプリーツスカートのセットアップに見られる力強い色彩のフラワープリントは、インドの街並みをイメージしたものだ。
異なるテイストをミックスさせるアプローチは、アイテム1つとってみても明白で、クラシカルな模様を描いたサイクリングパンツや、異国情緒溢れる花柄のマント風ジャケットなどに見て取れる。また、ロココ調のフラワープリントシャツに、エキゾチックな花柄パンツを組み合わせるなど、コーディネートによってミックススタイルを試みるルックもあった。
素材は春夏らしい透け感や、ふわりとした浮遊感を持つオーガンザを多用。空気を含んだように軽やかなジャケットコートや、エアリーなドレスを提案している。
洋服の表面に生み出された、くしゃっとしたディテールも目を惹く。ジャケットにドローコードを施したり、ドレスのスリーブや前見頃にギャザーを寄せたり、アウターにデコラティブなフリルを配したり...くしゃくしゃとした装飾が、様々なピースに奥行きある表情を与えている。