アンダーカバー(UNDERCOVER)の2019年春夏ウィメンズコレクションが発表された。長く行ってきたパリでのランウェイショーを今季はお休みし、ルック&展示会で新作を披露。ゆったりと時間をかけて洋服を体感できる形式の長所を活かし、ブランドの歴史・世界観を伝えるためユニークな方法をとった。テーマは「ザ セブン センス」。
コレクションは7つのセクションで構成される。それぞれは全く独立したインスピレーション、キーワードをもっていて、まるで独立したカプセルコレクションが7つあるかのよう。共通するのは、すべてアンダーカバーの歴史に紐づいていること。過去のアーカイブから最新のコレクションまで、各時代からのエッセンスを融合させている。
音楽を愛し、ショーミュージックに強いこだわりを見せてきたデザイナーの高橋盾。そんな彼の志向を活かしたセクションでは、デヴィッド・ボウイを追い続けてきた写真家ミック・ロックにフォーカスがあてられた。過去には、日本でもデヴィッド・ボウイ作品に特化した写真展が開催されるほど、世界中で熱い支持を受けているミック・ロックの作品にオマージュを捧げて、デヴィッド・ボウイの顔を全面に大きくあしらったニットやブルゾン、顔モチーフの総柄ワンピース、パンツなどを展開。いずれもヴィヴィットな配色がポイントだ。
美術家ジョン・デリアンに焦点を当てたチャプターでは、デコパージュと呼ばれる彼の作品技法をファッションへ落とし込んだ。18~19世紀の図鑑などを収集してコラージュするように作品作りを行うジョン。今回は、宇宙と日用品をキーワードにした2つの作品をコラボレーションし、モチーフとして起用した。どちらのシリーズも、惑星やスター、日用道具がブラックライトに当たると光るユニークな仕掛けが施されている。
そして、ヲタクをテーマにした章では、2019年春夏メンズに続き再び「魔法の天使クリィミーマミ」にフォーカス。「魔法の天使クリィミーマミ」をポケットにのせたブルゾンやクロスボディバッグなど“ちょっぴりダサイ”スタイルで日本のアニメカルチャーを表現している。また、フットウェアはナイキ(NIKE)とのコラボレーションによるスニーカーを展開。