アンダーカバー(UNDERCOVER)の2023年秋冬コレクションが発表された。
今季のアンダーカバーのテーマは、「Enjoy Yourself」。1970年代後半から活動を始め、ジャマイカ音楽のスカとパンク要素を融合させたサウンドで人気を博したイギリスのバンド、ザ・スペシャルズの名曲タイトルから取ったものだ。デザイナーの高橋盾は、「Enjoy Yourself」の歌詞にあるように、「あっという間に過ぎ去る人生、精一杯楽しんで生きよう」というポジティブなメッセージを伝えたかったという。
ファーストルックを飾るのは、ザ・スペシャルズがよく着用していた三つボタンスーツのルック。立て続けに登場した三つボタンスーツは、いずれもシンプルなデザインと細身なシルエットでありながら、背を向けた途端に異なる表情を見せる。バックには、ザ・スペシャルズの曲「ゴーストタウン」のジャケットに描かれたピアノを弾く骸骨のプリントや、「Enjoy Yourself」のサビ部分の歌詞などがあしらわれた。
スカのシンボルでもあるツートーンのチェッカー柄も印象的。中でも、フラグメント デザイン(fragment design)とのコラボレーションアイテムのアウター類に注目。ホワイト×ブラックと、オフホワイト×ブラウンのチェッカー柄に覆われたブルゾンやチェスターコートが登場した。オフホワイトとブラウンのチェッカー柄は、アンビエントミュージックのパイオニアであるマニュエル・ゲッチングにより1984年に売り出された名盤「E2-E4」のジャケットから着想を得たものだ。
コレクションに散見されるのは、アンダーカバーでは度々用いられてきた薔薇や手のモチーフ。赤い爪が目を惹く手のモチーフを、三つボタンスーツをはじめ、トレンチコートやパンツ、フレアスカート、さらには膝上ブーツにまでビジュー刺繍で配している。また、チュールでぎっしりと埋まったコートには、白い薔薇を大きく表現した。
ショー終盤には、耳付きのフードを配したトップスとヒョウ柄のレザージャケットやコート、ふわふわと存在感のあるボトムスを合わせたルックがお目見え。耳付きフードと中綿入りコートを組み合わせたルックも見られ、コレクションにインパクトを残した。