トム ブラウン(THOM BROWNE)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月30日(日)に発表された。テニスコートがプールサイドに早変わり。秋晴れのパリで行われたショーは、天井の抜けた開放的なテニス場が、カラフルなヤシの木が咲くプールサイドに姿を変え、一足早く暖かな季節の訪れを告げる。
ショーの始まりは、ブランドらしいドラマティックな演出から。三角帽子を被り、サンタクロースのような髭をたくわえた男性が現れ、会場隅にある三角屋根の家の扉を開ける。まるでプレゼントを配るサンタクロースのように、持っていた満開の花をプレゼントする人も…。
と同時に、4人のマスク姿の人物が飛び出しプールの両端に設けられた観察員の指定位置へ。ビックサイズの笛を下げた彼女たちが席に座ると“ピーーーーーーッ”と笛の音色が聞こえ、今季のドラマティックなショーがスタートする。
始まりは人魚のような4人の登場から。胸に貝殻のマークを当てたマーメイドスカートの人、イカリマークの全身タイツにビキニ、上にラメドレスや立体的なヒトデ柄のドレスを纏ったもの。彼女たちは人魚のように優雅な動きで、ランウェイ中央をゆったりと散歩している。
マーメイドラグーンを囲むようにして構えた四角いランウェイ。その上に登場するのは、海に纏わるピースに身を包んだ海の女たちだ。ブランド得意なテーラードに、クジラやヒトデ、ザリガニ、などを落とし込む。特にはジャカードで、時には立体的なボアや刺繍で様々な形で海の生き物たちを生き生きと表現し、ジャケットやパンツなどにのせた。中には、シュリンプの形そのものをドレスとグローブにしたルックも。
また、新作ウェアは作りたてのような儚い仕上がりが特徴。大好きな布地と布地をくっつけたかのような即興性があり、見る角度によってレングス、色味、柄などが異なるドラマティックな要素が詰め込まれている。
左側はラフィアなのに右側がファー、前後左右で全く違う丈感のスカート、本来は稼働が効くはずのアームをアイコン・ストライプの糸でがちがちにとめたトップスなど。ブランドタグとバックスタイルに施されるストライプタグをパッチワークして、パールの立体刺繍を施したジャケットもあった。
キュートなレザーグッズには、バナナ型のバッグが仲間入り。プールパーティのように楽し気な雰囲気に包まれた今季は、ポップな色彩で彩られたバナナ型バッグなど、フルーツモチーフが揃った。
バナナ、チェリー、スイカなどのモチーフは洋服にも落とし込まれ、シースルージャケットや鮮やかカラーのドレスに転身している。