アキラナカ(AKIRA NAKA)の2019年春夏コレクションが発表された。テーマは「コート・ダジュール(Côte d'Azur)」。
デザイナーの中章が今季のクリエーションを始める上で意識したのは、"纏う人にエレガンスを還元していく"服。SNSで披露されるような、シンボリックでキャッチーな洋服ではなく、自然体の女性に寄り添い、着る人の内面を豊かにするようなピースを生み出そうと考えた。
そこで目に留まったのが、夏のバカンスを謳歌する海外の女性たち。今シーズンのピースには、コート・ダジュールが位置する南仏に漂うような、リラクシングなムードが反映されている。ウィークエンドや旅先で、ファッションも夏もどちらも妥協しない、女性がありのままの姿で夏を楽しむことができるようなピースを展開していく。
注目すべきは、今までのアキラナカとは異なるフェミニンなアプローチ。女性を洋服という型にはめるのではなく、自然体で受け入れるようなピースを作るため、中が得意とする構築的なカッティングやエッジィな要素は残しつつも、今まであえて避けてきた女性的で柔らかなムードを受容した。
たとえばバックスタイルにモードなカッティングを控えめに加えたシャツドレスは、生地をたっぷりと使い、ふんわりとしたシルエットで展開。動物を描いたエキゾチックなアジアンプリントも、ショルダーにリボンを結んだリラクシングなロングドレスに仕上げている。
マテリアルは、ラグジュアリーな天然素材に注力。ドレスなどにコットンシルクやリネンをふんだんに採用し、女性の"肌に触れる"という観点からも素材を再考した。
また、今シーズンから、ブランド初となるシューズラインが登場。「コンフォート」「品格」「モダン」の融合をテーマに、女性が足元から健やかで美しくいられるようなシューズを取り揃えていく。
こだわったのは、解剖学、人間工学に基づいて削りだした特別な木型と、レザーなどの上質な素材、そして職人による匠の技術。ファーストシーズンでは、太めのヒールを採用した安定感のあるパンプスや、ストラップシューズ、サンダルなどが展開される予定だ。